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落語、腹式呼吸、鼻濁音。

こんにちは、アマチュア落語家の粗忽家勘心です。
8月ですねぇ、暑い暑いと言うとよけいに暑苦しくなってしまいますが、やっぱり暑い。
暑いもんは暑い。
先週は、落語を始めて以来最高に忙しい週でした。
1週間で6回の高座、話した演目は13席。
アマチュアとしてはまぁ頑張ったほうじゃないでしょうか。
そして、着物を着て大声で落語をすると……これがまだ暑いんです。ひとつの噺でもう汗びっしょり。
声を出すってエネルギー消費するんですね。
話し終わったら血圧も上がります。ふぅー(>_<)

「え? 落語ってそんなに大声出すの?」
はい、僕もそう思ってました、落語を始める前までは。
だってさ、僕が幼い頃ラジオで聞いてた落語って「お爺さんがボソボソ喋ってる」イメージでしたからね。

ところが、さぁ落語をひとつ覚えて師匠の前でやってみました。
僕「ご隠居さん、こんちはー」
師「ダメ、声が小さい、もっと大きな声で」
僕「ご隠居さん、こんちはー」
師「ダメダメ、それじゃお客さんに聞こえない、聞こえないと聴いてくれないぞ」
僕「ご隠居さーん、こんちはーーー!」
師「ダメダメダメ、道の向こう側の人に呼びかけるくらいにやれ」
……ご隠居さん道の向こう側じゃないです、家の中です……
……それにラジオで聞いてたお爺さん達は小さな声だったし……

それからは落語どころじゃなく、ひたすら大声を出す稽古。
あー、あー、あー、あえいうえおあお、かけきくけこかこ
落語なんてさせてもらえない。

実は僕はこの「大きな声を出す」というのが子どもの頃から苦手でした。
運動会、部活動、会社の研修……その度に「もっと大きな声で!」と叱られてました。
あーぁ、またここでもそれを言われるのかぁ。大きな声出してるし(>_<)
あー、あー、あー、あえいうえお、かけきくけこかこー
でもそんな稽古をしばらく続けて、ある日あらためて幼い頃聴いていた昭和の名人達のCDを聴いてみましたらば……なんとびっくり、お爺さん達も大声出してました。
あれ?おかしいなぁ、そんなにガーガー大声出してるイメージじゃなかったのに、今聴くと確かに大声。
はい、これが腹式呼吸だったんです、腹式呼吸っちゅーか腹式発声かな。
大声を出すわけじゃないのに大きな声。後ろの方のお客さんまで届く声。
なるほどなぁ、それから僕は一生懸命稽古しました。
それでも自分では「僕の声は小さい」と思ってます。
ところが、今こうやって各地で落語をやっていると、会の終了後に係の人に「声がよく通っていいですねぇ、聞きやすいです」と言われることが多いんです。
(え?この僕の声が?)……びっくりですよね。
そう、いつの間にか声質が変わってたんです、もしかすると腹式呼吸ができる様になったのかもしれません。

でももうひとつの悩みは「鼻濁音」
がぎぐげご。これが九州の人間はダメですね。
東京の人にはとても耳ざわりらしいです。
ンがンぎンぐンげンご と発音しなくちゃいけない。
「そんな些細なこと」と思うのは九州人。関東の人にとっては全く異なる音だそうです。
「僕ンが」と言わなくちゃいけない。「僕が」というと「ボクガー‼」とやかましいそうです。
これを治したい。
江戸っ子が使ってた言葉で江戸落語をやりたいのです。

「お世話になります、笑福亭べ瓶です、9月はよろしくお願いします」
初めて電話で話した笑福亭べ瓶さんの、なんと滑舌と歯切れの良い話し方‼
もうこれだけで、「あぁこの人の落語は間違いなく面白いはずだ」と思わせる口跡の良さ。
どうぞお楽しみに。


「第4回ひなたの会 笑福亭べ瓶、桂の紋二人会」
~上方の桂の華さす 福の瓶~
大野城会場 9月3日(土) 大野城まどかぴあ 14時開演
高宮会場 9月4日(日) アミカス高宮 14時開演
前売り1900円 当日2500円
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小辰さん
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吉笑さん
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第二回ひなたの会
「二つ目さん」

よくある落語のマクラ(演目に入る前に噺家さんが世間話みたいなのをちょっと語るアレのことをマクラと言います)に、
「えー、噺家の世界には厳しい身分制度がございまして、見習い→前座→二つ目→真打ち→ご臨終 ってな具合いになってまして……」などと言って笑いをとりますね。

この中の「見習い」はまだ正式には噺家ではないので、正しくは「前座→二つ目→真打ち」が公式な身分制度です。
最初は前座、その次だから「二つ目」なんですね。
落語界に入った以上、誰でも真打ちを目指すんですが、「噺家人生の中で一番嬉しかったのは、二つ目になれた時だ」と多くの真打ちさんが言います。

??……最終目標の真打ちじゃなくて、途中の二つ目になった時の方が嬉しいの?どうして?
不思議ですねぇ……。

はい、お答えします。
落語界(に限らず、日本の古典芸能は全て)は、上下関係がとても厳しい。
落語界に入ったら、その日から毎日毎日毎日毎日毎日毎日……朝早くから師匠の家に通わなければなりません。
ほんとに毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日……通うんです。
一般の会社の様に休みなんかありません。1年365日休み無しで毎日です。

「ふ~ん、そうやって師匠の家に毎日通って落語の稽古するのかぁ、落語家って大変だなぁ」と思ったあなた! 甘~い‼ 師匠は稽古なんて殆んどやってくれません。
「え?じゃあ毎日何をするの?」
はい、毎日毎日……師匠の家の掃除、洗濯、身の回りのお世話……そんなことばっかりやるんです。
来る日も来る日もやるんです。稽古なんてやってくれない。
んで、朝そんなことを済ませたら寄席へ行きます。
浅草演芸ホールとか、池袋演芸場とか、新宿末広亭、鈴本演芸場……
そこには落語をする為にたくさんの落語家さんがやってきます。
そこでまた、やってきたたくさんの師匠(自分の師匠以外の師匠)のお世話をしなければなりませぬ。
お茶を出す、着物をたたむ……お茶の熱さの好みも人それぞれ、着物のたたみ方も師匠によっていろいろ違う……それを全部覚えて間違えない様にやる……間違えたら鬼の様に叱られます‼ お茶の熱さを間違えただけで。
それ以外にもお囃子の太鼓を叩く、高座の座布団・めくりを返す、ネタ帳を書く、その合間にお茶を出す、着物をたたむ。演芸場が終わる夜まで帰れません。いや、終わっても帰れない、夜も師匠の家に行きます、身の回りの世話と今日の報告。
やっと師匠から解放されて自分の家に着いたらもう夜中、でまた明日の早朝から師匠の家へ。
そしてそして、この前座の期間中(だいたい3、4年)休みが無い、いや、そればかりではなく……給料が出ない、ゼロ、無給。w(゜o゜)w ひょえ~‼

だから、晴れて二つ目になれた時は嬉しい\(^o^)/
だって、二つ目になったら、
「師匠の家に行かなくて良い」→掃除、洗濯から解放!
「寄席にも行かなくて良い」→師匠方のお世話から解放!
「自分で落語の仕事をとって良い」→あちこちで落語してギャラ貰える!
そして、そして、「羽織を着るのが許される」

そりゃあ嬉しいですよね。素人が想像してもわかりますね。
だからといって遊んでちゃいけない。頑張らなきゃ‼ 二つ目なんだもん!
自分で自由に落語ができる、逆に怠けることもできる。
怠けるのは楽しい、楽チン。今までの3年間がウソの様に自由、遊べる。
だから、この二つ目で大きく差がつきます。
ここで頑張った二つ目は伸びていきます。
怠けた二つ目は伸びない、売れない。

そういうわけで人気の二つ目さんは面白いんです。一生懸命だもんね。
第一回ひなたの会を観に来て下さった方はわかると思います。
面白かったですねぇ、一生懸命さが伝わりましたね。
だから我がひなたの会は二つ目さんを呼ぶんです(真打ちに払うギャラがないってのもありますが(^^;)

そういう二つ目さんの噺、どうぞ聴きに来て下さい。
第二回ひなたの会まで、あと2週間となりました。

「第二回ひなたの会 入船亭小辰、立川吉笑二人会」
高宮会場 6月3日(金) アミカス高宮 18時30分開場 19時開演
那珂川会場 6月4日(土) ミリカローデン那珂川 13時30分開場 14時開演
前売り 1800円 当日2000円
ローソンLコード 82771
よろしくお願いいたします。
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第一回ひなたの会高宮会場
根多帳。ネタ帳。
誰がいつどこでどんな噺を演ったのかがひと目でわかります。
噺家さんに書いていただきます。
これは春風亭正太郎さん筆。
きれいな字。

太字、中字の筆を用意して「準備万端‼」と思ってましたが……
朱書きの「壽」は、正太郎さんが持参していただいた筆。
「第一回」だから朱で「壽」を書いて下さったのですが、
わざわざ朱の筆を鞄に入れて持って来ていただくとは……
それともいつも持ち歩いているのかな?
どちらにしても大感謝です。

根多帳は一生の宝物。
死ぬ時は棺桶に入れてもらお。
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モーレツ‼
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これが正解。
一席お付き合いを願います。

「めくり」を検索すると、
↑こんな上の画像が出てきたりしますが、これは落語にはあんまり関係ないですなぁ。
キライではないけど(^^)

下の写真が落語の「めくり」
噺家さんの名前が寄席文字で書いてあります。
少し厚い紙。

落語一席終わったら噺家さんが高座を降りて、
前座さんがこれを「めくり」ます。
すると次の噺家さんが登場。
まぁそれだけのことですが、墨黒々と書かれた文字は良いもんですね。

前座さんがこれをめくると次の噺家さんの名前が見える。
すると、それだけで客席がどよめくことがあります。
く~っ‼ いいねぇ、そんな寄席の雰囲気が大好き❤
われわれアマチュア落語では絶対にあり得ない光景ですね。
めくって登場した瞬間に「待ってました‼」の声(^^) しびれる~。


お後がよろしいようで。どどん。
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素敵な高座‼
一席おつきあいを願います。
「上下」……じょうげ? ウエシタ?
いえいえ、「かみしも」と読んで下さいませ。
かみしも……お侍さんの「裃」ではなく、舞台の上下。

「ご隠居さぁん、こんちわぁ」と上手(かみて)に話しかけ、
「おぉ!どうしたぃ八っつあん」と下手(しもて)に答えます。
その上下……かみしもです。
外国の舞台、演劇は知りませんが、日本は昔からお客様が舞台に向かって右が上手、左が下手。
これは、古くからの能、狂言、歌舞伎から、現代芝居や吉本新喜劇に至るまで我ら兄弟人間みな同じ。

上手は家の中、えらい人。 下手が外、格下の人。
だから、えらくて年輩のご隠居さんは上手にいるから上手に話しかけます。
八っつあんは外から訪ねてきたから下手にいます。
歌舞伎の花道もそうですな。外から入って来る用の道だから下手に作られてます。
吉本新喜劇でヤクザが「おぅおぅおぅ‼オヤジいてるかぁ!」と下手から現れます。

これは、実生活社会人のマナーとしても同じですね。
偉いさんはお座敷の奥、床の間の前にお座りいただきます。
新入社員は一番手前に座りましょう。
居酒屋、喫茶店でも同じ。上司や先輩には奥の席、壁を背にしてもらったり、ふかふかのソファーに座ってもらったり。ペーペーは通路側、入口寄りに。

そうすると、何故噺家さんが左右に首を降りながら話す理由がわかりましたね。
たまに、えらい人が外から帰って来る場面があります。
そういう時は、「今帰りましたよ、いやぁ留守番ご苦労様、どっこいしょ」などと言ってる間に、上下が入れ替りますよ。面白いですね(^^)
そういう発見をすると、落語がますます楽しくなります。成増。

おあとが宜しいようで。どどん。